中間淳太 ソロ曲 "Pinocchio" 考察

お久しぶりのはてブ!!

 

今回はジャニーズWEST 7thアルバム『rainboW』初回盤Bに収録されている中間淳太くんのソロ曲 "Pinocchio" の深読み考察をしていきます。

 

お恥ずかしながら、私自身『ピノキオ』といえば「嘘をつくと鼻が伸びる」程度の知識しか持っておらず、今回考察をするに際しましてネットであらすじをざっと確認した程度の知識量で執筆にあたっております。その為ディズニー版映画『ピノキオ』との類似点・相違点に関しましては細かい点まで考察が及びませんのでご理解ください。また、ディズニー版映画の原作『ピノッキオの冒険』の内容は考慮しておりません。

 

一個人の考察ですので「こういう解釈もあるんだな~」くらいに受け取って頂けますと幸いです。

 

ホラー要素含みますので苦手な方はお控えください。

 

語彙力のなさには目を瞑って頂くか半目で温かく見守って頂けますと幸いです。

 

 

 

それではさっそく考察に移ります。

この物語の登場人物は操り人形と少年(人間の子ども)の二人であると仮定し考察を進めることとします。

 

まず、私なりの解釈を簡単にまとめると以下のようになります。

 

  • 登場人物は、人間の子どもになりたい操り人形と人形劇で踊る操り人形を見て憧れを抱く少年の二人
  • 操り人形は少年の純粋な憧れの気持ちを利用し魂の入れ替わりを少年に提案する
  • 少年は操り人形に対する純粋な憧れの気持ちと子どもながらの好奇心から遊び感覚で人形劇の度に魂の入れ替わりを繰り返す

        →徐々に狂気的に

  • 最終的に操り人形は完全に少年の身体を乗っ取ってしまう

 

 

次に、この曲のイントロについて。イントロでは以下のような女性と男性の会話が聞こえてきます。(歌詞カードに記載のない部分のため正確ではありません。)

 

👱‍♀What song is that?

(この歌は何?)

👨‍🦳It's sad love song. Do you like him?

(悲しいラブソングだよ。好きかい?)

👱‍♀A-ha.(まあね(笑))

👨‍🦳Hahaha. Oh yeah!(ハハハ、そうか!)

Then why don't we enjoy the rest of the song?(それじゃあ歌の続きを楽しんでくれ。)Come on!Pinocchio!(ピノキオだ!)

 

イントロや曲中のコーラス、サウンドの雰囲気から推測するに、男性は劇場スタッフ、女性は人形劇を観劇しに来たお客さんでしょうか。

 

男性は、この歌を悲しいラブソングと言います。私の考察においてはラブソング=「恋愛を歌った歌」とはせず大きく括って「愛の歌」とします。

操り人形と少年の運命が織りなす悲しい愛の歌です。

 

 

以降、大まかな時系列順に沿って歌詞の解説をしていきます。

 

 

1番Aメロ:操り人形目線

(ボク=操り人形 キミ=少年)

はじめて会ったその時 ボクの心は奪われた

今すぐキミに近づきたい

はやる気持ちを抑え 忍び足

繋がった糸が 絡まないようにね

操り人形と少年の出会いを回想している場面です。

 

人形劇を観劇しに来た少年に一目惚れした操り人形。「今すぐキミに近づきたい」の「近づきたい」は、物理的距離の意味も含みつつ、加えて「今すぐキミのよう(な少年)になりたい」=「キミの身体が欲しい」の意が隠されていると捉えます。

 

ディズニー版映画『ピノキオ』が、操り人形のピノキオが本物の人間の子どもになるために冒険する物語であることから考えると、この歌に登場する操り人形もまた本物の人間の子どもになることを夢見ていたと推測できます。

 

よって、ここで言う一目惚れは恋愛感情ではなく、「この子の身体が欲しい」というもの。

 

操り人形はこの企みを悟られないよう慎重に少年に近づきます。おそらくこの操り人形が目をつけたのはこの少年だけではありません。「繋がった糸が絡まないようにね」というのは、自分の手から伸びる糸が複数あることを示します。

 

自分が目をつけた子どもたちと繋がった糸がたくさんあるが故、それぞれに関係がバレないように、その子どもたち同士の糸が絡まないように、という意味であると捉えることができます。

 

 

2番Aメロ:少年目線

(僕=少年 君=操り人形)

はじめて会ったその時 僕の心が奪われた

それがはじめての恋だった

ドキドキがバレないよう 忍び足

繋がった糸が 絡まないようにね

こちらも二人の出会いを回想している場面。

 

人形劇を観劇した少年もまた操り人形と同じく一目惚れをしたのです。ここで言う一目惚れとは、例えば小さな子どもが仮面ライダープリキュアを好きになるような、将来の夢としてそれらを語るような、そんな憧れに近い感情を抱くこととします。

 

操り人形に夢中になった少年は、どうにか操り人形を自分のものにしたいと盗みを実行します。操り人形の身体から伸びる糸が絡まぬように慎重に、こっそりと。

 

「ドキドキ」は一目惚れしたときの胸の高鳴りと盗みをはたらくことへの罪悪感や不安のダブルミーニングと私は解釈しました。

 

 

少年の盗みによって接触に成功した二人。

後述しますが、歌詞を読み解く限り操り人形は少年が自分に対して憧れの念を抱いていることに気づいていました。

 

その子どもながらの純粋な気持ちを利用し、少年に「次の人形劇のときにボクと入れ替わってみない?ボクとキミは一心同体になるんだ」などと、他に目をつけた子どもたちにも囁いてきたように、甘い言葉で関係を迫ったのです。(あくまで人形劇の際に魂の入れ替わりを提案。四六時中ずっと入れ替わったままではないと考えます。)

 

少年も操り人形に対して特別な感情を抱いているので、もちろんその提案を引き受けます。最初は遊び感覚で入れ替わりを楽しんでいた少年ですが、徐々にその特別な関係に依存し狂気的になっていきます。

 

 

1番サビ:操り人形目線

「あなただけ」

腕の中 キミの言葉 そっと耳をなぞった

「アナタだけ」

そうボクも領いた

幸せな時間 鼻高々

今日もボクは 鼻高々

「あなただけ」は後に続く「キミの言葉」という歌詞からキミ、つまり少年の言葉ということがわかります。幾度も入れ替わりを繰り返すうち特別な関係に依存した少年は、「操り人形だけが特別な存在」だと言っているのです。

 

「アナタだけ」は「そうボクも頷いた」からわかるようにボク、つまり操り人形の言葉です。少年の言葉に同調したかのように思えますが、他にも関係を結んだ子どもたちがたくさんいるため「アナタだけ」というのは明らかな嘘です。

 

よってここでの「鼻高々」は「自慢げ」や「誇りに思う」などの意ではなく、ディズニー版映画『ピノキオ』のストーリーの中での「嘘をつくと鼻が伸びる」という設定による「嘘をついている」ことの暗示であると捉えます。

 

 

2番サビ:少年目線

「あなただけ」

星の瞬いた夜に 僕は君に誓った

「アナタだけ」

そう君も領いた

腕の中 見えた 鼻高々

1番サビと同場面が少年目線で描かれています。

 

少年は操り人形が自分の身体を乗っ取ろうという企みを持っていることも、その企みを持つが故に他の子どもたちとも関係を持っていることも知らないはずです。

 

よって「鼻高々」は、1番サビのように「嘘をついている」ことの暗示ではなく、「二人だけの特別な関係を誇らしげに思っている様子(に少年には見えた)」の意であると捉えます。

 

「あなただけ」「アナタだけ」の掛け合いの解説は先述したとおりなので省略するとして、次に「星の瞬いた夜に、少年は操り人形に何を誓ったのか」について考えます。

 

おそらくこの誓いはこれまで何度も繰り返されてきた入れ替わりの関係を結んだ夜(人形劇を控える前夜か)のこと。

 

そのように考える根拠として、ここでディズニー版映画『ピノキオ』主題歌「星に願いを」の歌詞を引用します。

 

 

「星に願いを」

輝く星に心の夢を

祈ればいつか叶うでしょう

きらきら星は不思議な力

あなたの夢を満たすでしょう

人は誰もひとり哀しい夜を過ごしてる

星に祈れば淋しい日々を

光照らしてくれるでしょう

「星に願いを」の歌詞と劇中では「星に願いを祈ることでその願いが叶う」とされています。

 

人形は「少年の身体が欲しい」という残酷な願いを、少年は入れ替わりを繰り返すうちに芽生え始めた「人形にとって一番の存在になりたい」という純粋な願いを互いが星に祈り、不思議な力によってその願いが叶ったのです。

 

少年は操り人形の思うツボと言わんばかりにこの関係に依存していきます。

 

 

1番Bメロ:操り人形目線

魂が入れ替わっている状態

(ボク=中身少年身体操り人形 キミ=中身操り人形身体少年)

やっと夢が叶ったんだ

今じゃボクの隣で キミが笑っている

ここのパートは声が二重になって聴こえます。

したがってここは魂の入れ替わりが成立している状態と考えます。

 

少年をいわば洗脳する形になった操り人形。人間の子どもであれば誰でも良かったのでしょうが、操り人形にとって良い餌食となったのが少年だったのです。「少年の身体が欲しい」という夢(企み)がほぼ叶ったと言って良いでしょう。

 

「ボクの隣でキミが笑っている」とは、視覚的に「ボク(の姿をしたキミ)の隣でキミ(の姿をしたボク)が笑っている」ということ。

 

 

2番Bメロ:少年目線

魂が入れ替わっている状態

(ボク=中身少年身体操り人形)

でもそれもバレてたんだ

今じゃヘタだったねと ボクも笑ってしまう

このパートも1番Bメロと同様に声が二重になって聴こえるため、魂が入れ替わっている状態。

 

2番Aメロの流れから「バレていた」のは少年の操り人形に対する憧れの気持ちと考えられます。

 

強行して盗みをはたらいたことを「やり方がヘタだったね」と、あるいは「気持ちを隠すのがヘタだったね」とボク(中身少年身体操り人形)が笑っているのです。

 

 

Cメロ:少年目線

出会いの回想場面

(僕=少年 君=操り人形)

やっとの思いで掴んだ ひとつだけの運命

辿った先で たくさんの糸を手に踊る君が

僕に微笑んだ

「たくさんの糸を手に踊る君」とは複数の子どもたちと関係を持つ操り人形のことを指します。そのうちの一本は、運命の出会いを果たした少年と操り人形を繋ぐ赤い糸。その糸を手繰り寄せてみたところ、自分に繋がる糸の他に複数の糸が繋がっていることに気づいてしまったのです。

 

操り人形が入れ替わりの関係を結んでいたのは自分だけではなかったことを少年は知ってしまいました。自分だけが特別だと思いこんでいた少年は計り知れないショックを受けたことでしょう。

 

(メインボーカルのバックに聴こえる男性の喋り声は何と言っているのか上手く聞き取れず……。

ここにも何か謎を読み解くヒントが隠されている気がするので、淳太くん本人からの言及を待ち後ほど考察していきたいと思います。)

 

 

魂が入れ替わっている状態

(ボク=中身少年身体操り人形)

その姿に 心を奪われたんだ

ねえ見てよ 今じゃボクの方が上手に踊れるよ

「その姿に心を奪われた」というのはショックを受けた、ということを意味していると捉えます。2番Bメロで「はじめての恋だった」とあるので「失恋した」と表現するのが正しいでしょうか。

 

何度も先述しているように、少年は操り人形と入れ替わりの関係を続けるうちに狂気な状態に陥っていきました。操り人形に対してかなり依存していたのです。

 

今では操り人形と入れ替われば、他の誰より上手く踊れるのに。どうして自分だけを見てくれないのか。

 

このすぐ後に聴こえる声にそんな気持ちが乗せられているように思えます。

 

ねぇ、見てよ

出会った瞬間は自分だけを見て微笑んでくれた操り人形が、今はもうちゃんと自分を見てくれない。

 

そして複数の関係を結んでいた操り人形の「人間の子どもの身体が欲しい」という本当の目的に気づいてしまったのです。

 

「それならば…」と少年は思いました。

 

「人間の子どもの身体がほしい」という操り人形の願いと、「自分だけを見てほしい」という少年の願いが、星の不思議な力を借りずとも叶うこととなります。

 

 

落ちサビ:少年目線

「あなただけ」

星も眠りだした夜に キミと僕が重なった

「アナタだけ」

そう2人領いた

…幸せな時間

「キミ(中身人形身体少年)と僕(本来の少年)が重なった」、つまり少年は操り人形の企みを知りながら自ら自分の魂を捨てその身を操り人形に捧げる選択をしたことになります。

 

「星も眠りだした夜に」、今まで入れ替わる際に頼りにしていた星の力も借りずに。

 

「あなた(人形)だけ」のものになりたくて。これで本当の一心同体です。ずっと一緒にいれます。自分だけを見てくれます。

 

 

ラスサビ:少年を完全に乗っ取った操り人形目線

「あなただけ」

僕は君に誓った

「あなただけ」

…シアワセな時間 鼻高々

今日もボクは鼻高々

少年を手球に取り完全に乗っ取った操り人形。僕(本来の少年)も君(本来の少年から見て君→操り人形)もボク(操り人形)であるので、自分に自分で誓います。

 

「あなただけ」。

あなた、というのはもちろんボク。人間の子どもになりたいという願いからたくさんの子どもたちと関係を結んでいた操り人形ですが、最終的に一人の少年の身体を手に入れ「ボク(という人間)だけ」になりました。

 

「鼻高々」というのはここでも嘘をついていることの暗示。少年の身体を奪い、少年と偽って嘘をついて生きていく操り人形の鼻が高々としている様子です。

 

最後に聴こえる笑い声は少年を乗っ取った操り人形が嬉々としている様子を表していると考えます。

 

 

そして淳太くんの言っていた Who done it?

誰がやったのか?

 

私なりの答えは、「人間の子どもになりたいと願う操り人形」。しかし「きっかけを作ったのは歪んだ関係に依存しすぎた一人の少年」。ある意味二人は共犯者なのかもしれません。

 

 

この歌は、歪んだ形でも愛を貫いた少年の悲しい愛の歌。

 

 

 

以上、私なりの"Pinocchio"深読み考察でした。

 

 

一個人の稚拙な考察にお付き合い頂きありがとうございました。「ここなんかおかしくない?」「この点が噛み合わない」などありましたらご指摘頂けますと喜びます!

 

 

 

 

最後に淳太くんへ

考察激ムズすぎて睡眠時間めちゃめちゃ削りました。(知らんがな)

めちゃめちゃめちゃめちゃ楽しかったです!

こんな楽しみ方をくれてありがとうございました。

ご本人からの解説待ってます。

私より